2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアゲノム全塩基配列決定による紐形動物門の系統分類学
Project/Area Number |
20770061
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柁原 宏 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 助教 (30360895)
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Keywords | 分子系統解析 / 体系学 / 紐形動物 |
Research Abstract |
原記載以降報告の無かったDiplomma serpentina(Stimpson, 1855)を三崎・白浜・沖縄(タイプ産地)・フィリピン・インドネシアから報告し、トポタイプをもとに再記載した。単針類の他属3種Paramphiporus albimarginatus Kirsteuer, 1965(マダガスカル産)、Poseidonemertes bothwellae Gibson, 1982(オーストラリア産)、Correanemertes polyophthalma Gibson & Sundberg, 2001(オーストラリア産)のタイプ標本を観察した結果、これら3種はそれまで単型属であったDiplomma属に所属させることがふさわしいと結論された。Correanemertes polyophthalmaについては分子データもこの分類学的判断を支持する結果を得ている。この結果、Paramphiporus Kirsteuer, 1965はDiplomma Stimpson, 1857の後行異名となった。吻鞘壁筋が縦走筋と環状筋の編み籠状を呈するクラテネメルテス類は従来その他の単針類と姉妹群を構成する単系統群と考えられてきたが、18S rRNAおよび28S rRNAを用いた単針類の系統解析の結果はこの見解と相違する。今後は多針類を含む多くの針紐虫類を解析に加えることにより、単針類の基部の樹形を明らかにして行く必要がある。
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