2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770072
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
堤 千絵 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究員 (30455422)
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Keywords | 着生植物 / 進化 |
Research Abstract |
さまざまな環境に進出し多様化を遂げた植物の大部分が,菌と共生する.本研究では,地上から樹上へと進化した着生植物に着目し,着生植物の進化に菌がどれほど関与したかを推定することを目的に,植物の分子系統解析,及び各植物から共生菌を単離し,菌の遺伝子解析や,共生培養により菌が植物の生育に与える影響を調査している. 前年度に引き続きツツジ科スノキ属の材料収集と系統解析を行った.日本では絶滅危惧植物に指定されている着生種ヤドリコケモモ(Vaccinium amamianum)とアクシバモドキ(V.yakushimense),そしてこれらに近縁と推定されるツツジ科スノキ属複数種の系統解析を行い,ヤドリコケモモおよびアクシバモドキの系統上の位置と近縁種を推定し,結果を論文としてまとめた. 着生種と地生種の菌種の違いを明らかにするため,アクシバモドキ、近縁な地性種スノキ,ウスノキ,そしてオオバコケモモ,および,屋久島で地上・樹上の両環境で生育するサクラツツジ,ヤクシマシャクナゲ,アクシバモドキ,ヒカゲツツジから菌を単離し,引き続き分子同定および菌の系統解析を行ってきた.解析したツツジ科植物から得られた菌は,Cryptosporiopsisの類縁種で、着生と地生で菌種の明確な差異はこれまで認められなかった. その他,研究過程で明らかになった新種や分子系統について論文や学会発表を行った.
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Research Products
(3 results)