2010 Fiscal Year Annual Research Report
アカネ科における倍数体の起源および二型花柱性喪失と自殖の進化に関する研究
Project/Area Number |
20770073
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
内貴 章世 岡山大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (30393200)
|
Keywords | 倍数化 / 二型花柱性 |
Research Abstract |
(1)分子系統学解析について これまで葉緑体遺伝子間領域trnL-F,trnLイントロンについての塩基配列決定を集中的に行い解析を進めてきたが、その中で、D.indicusの既存および新しいサンプルの一部で解読された塩基配列の一部にダブルピークが見られることが明らかになった。他の研究者の協力も得て、他サンプルの混入ではないことは確かめられている。このことにより、この領域に加え、trnK,rps 16 intronの2領域の塩基配列決定も行うこととしたが、これらにおいても、前述の領域で見られた以上の塩基配列決定が不可能な事象がみられた。原因としては、1つの植物個体の葉緑体に複数のタイプがある、葉緑体の特定領域が核に移りシングルコピーではなくなっている、などが考えられるが、明らかになっていない。従って、上記のようなサンプルに関して、他の葉緑体遺伝子領域(10領域程度)に関して、至急スクリーニングを行い、解析に用いることができる領域を探索することが必要となり、23年度に行うこととした。 (2)FISHに関して 一昨年度の予備実験では蛍光シグナルをごくわずかに検出し、アリドオシ属の倍数体起源の推定に使用できる可能性が示唆されたが、昨年度に引き続き実験を進めていく中で、アリドオシの内在性の蛍光物質により、ローダミン(5S)のシグナルが検出する事が不可能で、18Sの検出をする事はできるが、検出箇所が付随体と一致し、新たな染色体マーカーとして利用出来ないため、実験結果を有効利用出来ないことがわかった。したがって、倍数体起源の推定をする目的であらたな手法を用いる必要が生じたため、分染方法による染色体観察を見当した。この結果、分染方法については、中期染色体で解析する事はできないが、前中期染色体像には様々なDAPIバンドが観察され、CMAのシグナルも観察できることが予備実験によって分かった。この多型を用いれば、分類群間の識別等に利用できる可能性がある。
|