2010 Fiscal Year Annual Research Report
水生植物コウホネ属における生育形および異形葉形成の進化的背景
Project/Area Number |
20770074
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Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
志賀 隆 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 学芸員 (60435881)
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Keywords | 進化 / 植物 / 水生生物 / 生育形 / 異形葉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、種間において交雑させることが可能であるスイレン科コウホネ属を用いて、葉形、生育形、異形葉形成に関する種間の形質差がどのような機構で進化してきたのかを明らかにすることである。研究3年目である平成22年度は以下の内容を実施し、研究成果を学会発表した。 1.生態調査 平成20年度に引き続き、コウホネ(2集団)、オグラコウホネ(2集団)、サイジョウコウホネ(コウホネ×オグラコウホネ)(1集団)、シモツケコウホネ(3集団)、ナガレコウホネ(3集団)について、環境データと共に、葉長や根茎の伸長など、フェノロジー調査を行った。 2.交配実験および栽培実験 コウホネ、オグラコウホネ、シモツケコウホネの3種間において交配実験を行い、F1を作出した。 3.DNA解析 調査に用いている野外雑種集団における、雑種形成の方向性および浸透性交雑の特徴を把握するために両性遺伝マーカーとしてマイクロサテライトマーカー、母性マーカーとして葉緑体DNAのtrnLのイントロン領域を使用して研究を行った。平成21年度は予備的に雑種集団の調査を行った。22年度は残存する野外雑種集団を網羅的に調査を進めた。 4.圃場実験 サンプリングしたコウホネ、オグラコウホネ、シモツケコウホネ、ナガレコウホネを圃場に移植し、栽培実験を行った。通常条件、渇水条件における展葉数や開花数の計測など適応度にかかわる形質を調査した。
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