2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山形 敦史 The University of Tokyo, 放射光連携研究機構, 助教 (20463903)
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Keywords | 蛋白質 / 構造生物学 / ATP加水分解酵素 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
C末端に一回膜貫通ヘリックスを持つ膜タンパク質(TA protein)の膜挿入は、Get3 ATPaseによってエネルギー依存的に行われる。Get3による膜挿入メカニズムの解明を目指して当研究では大きく4つの研究を計画、実行した。 1、X線結晶解析によるGet3の立体構造解析 ADP結合型Get3と非結合型Get3の結晶構造を決定した。両構造とも開いた二量体構造を取り、二量体間に一個の金属イオンが結合していた。 2、Get3の結合金属種の同定 結晶構造解析における多波長異常分散法の利用と、ICP-AESを用いた解析により結合している金属イオンが亜鉛イオンであることが分かった。また亜鉛イオンと結合しているシステイン残基に変異を入れると、2量体が形成されず、亜鉛イオンとも結合できなくなることを示した。 3、TA protein結合部位の同定 共発現法によってTA proteinの一種であるSec22とGet3が安定な複合体を形成することを見いだした。さらに変異体を用いた解析により、Get3のhelical domainと呼ばれる部位にTA proteinが特異的に結合することが分かった。 4、ATP依存的な構造変化の解析 人為的に導入したシステイン残基を用いた架橋実験により、Get3がATP加水分解依存的に2量体構造を閉じる構造変化を起こすことを示した。
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