2009 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造に基づくヒストンメチル化因子間のあらたな調節機構の解明
Project/Area Number |
20770086
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大木 出 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80418574)
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Keywords | ヒストン / メチル化 / 立体構造 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本年度はヒストンのメチル化(H3K27)を認識して転写制御を行うポリコーム蛋白質HPC2に注目して研究を行った。ポリコーム蛋白質はヒストンメチル化酵素MLLと共にホメオティック遺伝子をはじめとする発生分化に関わる遺伝子群のクロマチンを凝集させることで転写抑制を行っているが、そのメカニズムは明らかでない。我々は独自にHPC2のクロモドメインがメチル化ヒストンだけではなくDNAとも強く結合して凝集を引き起こすことを発見した。この機能はクロマチン凝集に関わるクロモドメインの新たな制御機構であることが予想された。そこでこのメカニズムを解明するためクロモドメインとメチル化ヒストン、DNA、及びMLLとの複合体構造の決定を試み、クロモドメイン-メチル化ヒストン複合体の構造決定に成功した。得られた構造はダイマーを形成しており、興味深いことにDNA結合部位と考えられる領域はダイマー表面の両端に離れて存在していた。他のクロモドメインファミリーではこのようなダイマー構造は報告されておらず、HPC2のクロモドメインはこの独自な構造によりDNAあるいはヌクレオソームをクロスリンクしてクロマチン凝集を引き起こすという新たな機能をもっている可能性が示唆された。このダイマー両端に存在する保存された塩基性アミノ酸残基に変異を入れるとDNAの凝集が抑えられた。この新たな凝集機構について、前年度に得られているMLLに関する結果と共に論文公表の準備を進めている。
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[Journal Article] Molecular basis for E-cadherin recognition by killer cell lectin-like receptor G1 (KLRG1)2009
Author(s)
Nakamura S, Kuroki K, Ohki I, Sasaki K, Maruyama T, Ito M, Kameda Y, Ikura M, Yamamoto K, Matsumoto N, Maenaka K
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Journal Title
J.Biol.Chem.
Volume: 284
Pages: 27327-27335
Peer Reviewed
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