2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
須藤 恭子 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生物機能工学研究部門, 研究員 (90415696)
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Keywords | タンパク質 / DNA |
Research Abstract |
N末端にタンパク質のtagをつけたAPOBEC3Gを作製し、in vitroでのデアミナーゼ活性を測定したところ、十分な活性が確認された。それまでの文献では、大腸菌での発現系で調製したAPOBEC3Gでは、デアミナーゼ活性が無いとされていたが、NIH AIDS Research & Reference Reagent Programから取り寄せた、培養細胞による発現・精製されたAPOBEC3Gと比べて、活性に差は見られなかった。しかしながら、このコンストラクトを発現、精製、市販の結晶化キットを用いて結晶化のスクリーニングを試みても、結晶は得られなかった。このコンストラクトは精製中にも、アグリゲイションしやすい性質が見られ、ゲルろ過では大分子量領域での溶出が観察されたので、こういった性質のために結晶化しにくいと想像された。過去の文献では「APOBEC3Gは、培養細胞によっては、アグリゲイションしやすいが、RNaseAの付加により解消するので、特定RNAの混入により集合する」という報告があったが、今回の実験では、RNaseAの添加によるモノマー化は確認できなかった。また、吸光度やゲルろ過では顕著な核酸の混入も確認できなかった。APOBEC3Gのデアミナーゼ活性を阻害すると報告されている、HIV-1由来のVifの発現系も作製した。このVifをAPOBEC3Gに混ぜても、溶解度の改善やゲルろ過での見かけの分子量の移動は見られなかった。
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