2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770094
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
須藤 恭子 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究員 (90415696)
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Keywords | タンパク質 / DNA |
Research Abstract |
HIV-1由来Vifとマルトースバインディングプロテイン(MBP)との融合タンパク質の発現系を作製して、精製した。この融合タンパク質は、95%以上の純度まで精製できたが、結晶は得られなかった。 Vifは、プロテアソーム依存的にヒトAPOBEC3Gを分解するのみならず、大腸菌内での共発現の実験でも、(プロテアソーム非依存的に)ヒトAPOBEC3Gのデアミネーション活性を阻害することが知られている。本実験で得られたVifが後者の阻害活性をもつことを確認するため、RIを使用したin vivoでのAPOBEC3Gによるデアミネーション活性の測定を行った。その結果、このMBP-Vif融合タンパク質が濃度依存的に活性を阻害することを確認した。このような阻害は、少なくとも大腸菌での測定系においては、VifとAPOBEG3Gの結合を反映していると報告されており、in vivoでこれを再現できたことにより、VifとAPOBEC3Gの結合を阻害する薬剤、すなわち抗ウィルス薬のスクリーニングに転用できる可能性を示している。 一方、でVifおよびAPOBEC3Gに特異的に結合するRNA配列を特定するため、SHELEX法による特定を試みた。16merのランダム配列を含むRNAを合成し、各タンパク質と複合体を作り、そこからRNAを抽出した。このRNAからcDNAを作製し、PCRで増幅後、これを鋳型にRNAを転写した。この繰り返しを5サイクル行い、得られたcDNAの配列を読んだが、特異的と思われる配列は検出できなかった。RNAに特定の構造が必要なためにランダム配列が16merでは短すぎるのか、もしくは期待されていたような特異性が無いのかのいずれかであると考えられる。
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