2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 祐美 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 学術研究員 (10452096)
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Keywords | ゴルジ体 / 膜輸送 |
Research Abstract |
小胞体からシスゴルジにかけての初期の分泌経路においては、輸送小胞だけでなく小管状の膜構造物がしばしば観察される。この小管の物質輸送への関連を調べるため、まず膜小管に局在している膜蛋白質に着目し、その性質を調べることとした。 まず始めに、人工的に細胞内で膜小管の形成を観察できる条件を検討した。Arf GTPaseの阻害という観点からbrefeldin A、フッ化アルミニウム等の薬剤処理を行なった。処理後の細胞を観察した結果、適当な時間これらの試薬に曝露することでゴルジ体を中心とした激しい小管の形成が見られた。従って、この条件において小管上に集積する分子について探索し機能を検討することで、本申請研究の目的が果たされるのではないかと考えて以下の実験を行なった。 小胞輸送においては、小胞の融合にrab GTPaseが重要な役割を果たす。特に、rab1, 2は、哺乳動物細胞において小胞体からゴルジ体への輸送に機能するとされ、rab1については小管膜上に局在するとの報告がある。膜貫通蛋白質であり、酵母においてrab1との相互作用の報告されているYPF5に着目し、20年度は動物細胞における機能解析を行なった。YIPF5と、哺乳動物においてもう一種類の相同蛋白質であるYIFIAに関して抗体を作成し、局在の解析を行なったところ、上記の条件において膜小管への局在が観察された。また、YIPF5, YIFIAに対するsiRNAによりゴルジ体の形態が崩壊するという結果を得た。これらの結果は、YIP5F, YIFIAがゴルジ体周辺の膜成分の輸送に関わることを示唆しており、具体的にどのような物質の輸送に機能するのか21年度引き続き検討を進める予定である。
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