2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 祐美 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 学術研究員 (10452096)
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Keywords | ゴルジ体 |
Research Abstract |
細胞内の物流経路として、小胞による物質輸送だけでなく膜小管による直接の物質輸送を想定し、解析した。 前年度までに、モデルとして膜小管の形成過程がフッ化アルミニウムやbrefeldin Aなどの薬剤処理にて再現できており、小胞体からゴルジ体にかけてリサイクリングする膜タンパク質であるYIPF5, YIF1Aが互いに相互作用しつつ小管膜上に局在していることが示されていた。YIPF5,YIF1Aはrab結合タンパク質として酵母で見いだされたタンパク質であり、申請者らの作成した抗体により小胞体・ゴルジ体・中間区画に分布することが細胞分画および免疫染色にて示された。YIPF5,YIF1Aのノックダウンによりゴルジ体の分散が見られたが、生細胞を用いた実験系において細胞内輸送に目立った変化は認められなかった。ただし、COP1小胞の構成分子であるbeta-COPが細胞質に分布するようになっており、COP1小胞を介した輸送との関わりが示唆された。一方で、細胞を界面活性剤処理することでセミインタクト細胞とし、細胞質成分などの添加により細胞内輸送を再現する実験により、YIP1Aが特にゴルジ体から小胞体への逆行輸送に関わっていることが示唆された。従って、本研究によりYIPF5,YIF1Aが小胞体・ゴルジ体間を小管に載ってリサイクリングしつつ細胞内輸送の調節因子として働いていることが示された。
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