2008 Fiscal Year Annual Research Report
生物発光-蛍光2重エネルギー移動によるカスパーゼ3活性指示薬の開発
Project/Area Number |
20770115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齊藤 健太 Hokkaido University, 電子科学研究所, 特任助教 (60374659)
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Keywords | BRET / イメージング / 生物発光共鳴エネルギー移動 / Rluc / Venus / 発光タンパク / 蛍光タンパク質 / 自家蛍光 |
Research Abstract |
生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を利用した指示薬として細胞内カルシウム指示薬を開発した。この指示薬は生物発光タンパク質(Rluc8)と黄色蛍光タンパク質(Venus)の間にカルシウム結合により構造が変化するタンパク質(カルモジュリン)およびその結合タンパク質(ミオシン軽鎖ペプチド、M13)を挟んだ構造をしている。リンカーおよびVenusの円順列変異体を試し、カルシウムの有無で最もBRET効率の変化が大きくなるコンストラクトをスクリーニングした。これを培養細胞内に発現させ、細胞内のカルシウム濃度を発光でイメージングする事を可能とした。観察光学系として、Nikon 40倍油浸対物レンズを用い検出は浜松ホトニクスEM-CCDカメラImagEMを用いた。また、W-View光学系によるRluc8、Venus由来発光の同時観察を行った。また、この指示薬を安定的に発現する植物を作成した。これを用いて発光による植物個体のカルシウムイメージングを試みた。結果として、植物個体内のカルシウム濃度は平常時において培養細胞よりも高い事がわかった。植物個体でのカルシウム濃度上昇を検出するために、カルシウムの至適濃度に合わせたアフィニティを持つ指示薬の開発が必要とわかった。これを達成するため、カルシウムが結合するカルモジュリンタンパク質のアミノ酸にカルシウムとのアフィニティが低くなる変異を2箇所導入した。このカルモジュリンを用いてカルシウムとの指示薬を開発しているところである。また、今回作成できたカルシウム指示薬を用い蛍光タンパク質-発光タンパク質2重共鳴エネルギー移動指示薬を開発する。
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