2010 Fiscal Year Annual Research Report
生物発光―蛍光2重エネルギー移動によるカスパーゼ3活性指示薬の開発
Project/Area Number |
20770115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齊藤 健太 北海道大学, 電子科学研究所, 特任准教授 (60374659)
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Keywords | 生物発光共鳴エネルギー移動 / 機能イメージング / カルシウム指示薬 / BRET |
Research Abstract |
これまでに生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)を利用したカルシウム指示薬(BRAC)を開発を行なってきた。これはカルシウムの有無によってRluc8に由来するスペクトルピークとVenusに由来するスペクトルピークの比が約60%変化する発光性のカルシウム指示薬である。このカルシウム指示薬をHela細胞に発現させて、1Hzでの観察を行う事ができた。これにより、ヒスタミン刺激に伴なう細胞内のカルシウム振動を観察することができた。また、シロイヌナズナに遺伝子改変を行い、安定的にBRACを発現させ、植物の病気を起こす遺伝子(Pst DC3000)を持つ菌体Pst DC3000/avrRpm1をシロイヌナズナに感染し、約80分後に抵抗性を示す際に一過的にカルシウム上昇を示す事を可視化した。当該年度はこれらの結果をまとめてPloS ONE誌に投稿し受理された。また、最終的な目標である、生物発光-蛍光2重エネルギー移動についての研究を行った。Venusと橙色・赤色系蛍光タンパク質との相性の良いFRETペアを探索し、いくつか該当する蛍光タンパク質を見つけたものの、FRET効率は非常に低く、満足の行く結果が得られなかった。この結果を踏まえ、赤色系タンパク質に改良を加えたり新規に開発する事も視野に含めて今後の研究を進めたいと考えている。
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