2008 Fiscal Year Annual Research Report
局所配列の物理化学に着目したタンパク質の立体構造予測の研究
Project/Area Number |
20770120
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千見寺 浄慈 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (10420366)
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Keywords | タンパク質 / 立体構造予測 / フォールディング / アロステリック |
Research Abstract |
現時点で最も有力なタンパク質立体構造予測法として知られているフラグメントアセンブリ法に関する基礎的、応用的の両方の観点から研究を行った。 基礎的観点からの研究としては10残基程度のフラグメント構造を物理化学的に予測するための新しい溶媒モデルを構築した。このモデルはデータベース解析からタンパク質の中の極性基はほとんど100%水素結合しているということがわかっているので、水分子を陽に考慮しなくとも、これが実現されるように工夫されたモデルである。未だに改良の余地は多々あるが、このモデルを用いてタンパク質立体構造予測コンテストCASP8のいくつかの問題に対して予測構造を提出したところ、よい予測であった例がいくつかあり、今後の改良に期待が持てる結果が得られた。 用研究として、フォールディング経路が実験的によく調べられてるタンパク質であるprotein Gとsh3に対して、フラグメンアセンブリ法を用いた自由エネルギー局面の解析からフォールディング経路を計算し、定量的によく再現していることが確認され、さらに実験では観察不可能はミクロな状態に関する情報が提供できることを示した。さらに、アロステリック反応を示す典型的なタンパク質であるカルモジュリンのアロステリック反応を理解するために、カルモジュリンN末端ドメインの構造変化をフラグメントアセンブリ法で記述することにも成功した。この計算からアロステリック反応に重要な働きをしている残基を特定できた。
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Research Products
(2 results)