2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770124
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大坪 義孝 Kyushu Institute of Technology, 生命体工学研究科, 助教 (00380725)
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Keywords | 味蕾細胞 / 味覚器 / 味情報伝播 / コネキシン |
Research Abstract |
生物は細胞間の相互作用を利用し、生体内情報の伝達や協調した動作を行っている。例えば、心臓では、細胞間のギャップ結合がリズミカルな心収縮の形成に重要である。私は、味覚器である味蕾に細胞間相互作用の形成に必要なギャップ結合や各種神経伝達物質受容体が存在するのを明らかにした。しかし、細胞間相互作用の生理的役割については不明である。本研究では、味蕾構造を保持した標本(剥離味蕾標本)を用い、細胞間相互作用と味情報伝達機構の関係に注目し、その役割を遺伝子レベルから細胞集団レベルで明らかにすることを目的とする。 味蕾細胞は、I型〜IV型の4種類の細胞型に分類される。特に、II型細胞(味物質受容体を発現している細胞)およびIII型細胞(味神経と化学シナプスを形成し、味情報を伝達する細胞)は、味情報伝播に重要な細胞である。また、単一味蕾内に含まれるこれら細胞型の数および空間的位置関係を知ることは、味蕾細胞間相互作用の基礎的研究として重要である。免疫組織学的手法を適用した剥離味蕾標本と共焦点レーザ顕微鏡を用い、単一味蕾に含まれるII型、III型細胞の数および位置関係を明らかにした。 細胞間相互作用の一つであるギャップ結合はコネキシンと呼ばれる蛋白質で構成され、隣接する細胞がコネキシンを発現し、細胞間の結合が生じることで機能する。また、コネキシンは、細胞間の結合がない場合でも機能し、細胞内容物を細胞外へ放出することで、近隣の細胞へ情報伝達を行っている。コネキシンには〜20種類のサブタイプが存在する。RT-PCR法を用い、味蕾細胞には数種類のコネキシンサブタイプが発現していることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)