2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770126
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岡 俊彦 Shizuoka University, 理学部, 助教 (60344389)
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Keywords | 膜蛋白質 / 高分解能結晶構造解析 / 巨大結晶作成 |
Research Abstract |
膜蛋白質バクテリオロドプシンは、高度好塩菌の細胞膜上に存在し光を吸収することにより膜の内外に水素イオンの濃度勾配を作り出す。この光駆動水素イオンポンプ機構においてバクテリオロドプシン内部の各残基の水素原子が大きな役割を果たす。このため水素原子を観測することが可能となれば、バクテリオロドプシンの反応機構の理解が一段と進むことは間違いない。そこで我々は水素原子を観測するために, 高分解能X線結晶構造解析または中性子結晶構造解析が可能なバクテリオロドプシンの高品質巨大結晶の作成を行うことにした。 今年度から研究代表者が大学を移動したことに伴い, 研究環境や研究時間などが大きく変わり, 研究が当初の予定より大幅に遅れているが、今年度は下記の研究を行った。バクテリオロドプシンの結晶化は現在次のように行っている。バクテリオロドプシンの精製, 可溶化, モノオレインとの混合, 結晶化剤の添加。これらの手順を高品質巨大結晶作成にむけ更なる検討を行った。精製法の改良, 試薬の変更, モノオレインの含水量の変更などである。現在までに明確に高品質巨大結晶作成に対して有効であるという条件は見つけられていない。またバクテリオロドプシンと混合したモノオレインが白濁する、つまり立方相でなくラメラ相になる現象が多く見られるようになっている。この原因究明を試みているものの、まだ確定的な原因を把握しきれていない。上記の問題点を打破するために継続して、研究を行っていく必要があると考えている。
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