2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復における損傷・ミスマッチ部位認識機構の1分子イメージング
Project/Area Number |
20770131
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横田 浩章 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 講師 (90415547)
|
Keywords | 1分子計測(SMD) / 超精密計測 / ナノバイオ / 分子認識 / 核酸 |
Research Abstract |
DNA複製・修復・組み換えは、種の遺伝的連続性を保証する最も重要な機構である。DNA複製が驚くほど複雑なのは、世代を通じてゲノムを保全するため、きわめて正確でなければならないことによると考えられている。現時点では、これらの機構でさまざまなタンパク質分子が実際にどのように相互作用しつつ、非常に複雑な反応を速やかに、そして絶妙の精度で触媒するのかについてのダイナミクスはわかっていない。そのダイナミックなプロセスの理解には、直接タンパク質が機能している現場を可視化することが鍵となる。 そこで、本研究では、これまでの研究で主に取り扱ってきた大腸菌のDNAヘリカーゼUvrDがDNA損傷除去に重要な役割を果たしているヌクレオチド除去修復、ミスマッチ修復に焦点を絞り、蛍光標識したDNA結合タンパク質を用いて、DNA上でのタンパク質問の相互作用を1分子イメージング測定することにより、DNA修復機構の素過程をDNA上でのタンパク質問の相互作用を1分子レベルで解明することを目的とした。 平成20年度は、ヌクレオチド除去修復に関係するタンパク質並びにミスマッチ修復に関係しているタンパク質の遺伝子をクローニングし、発現・精製を行った。また、現在1分子計測の分野で、タンパク質のガラス基板への非特異吸着を抑制するために標準的に用いられているポリエチレングリコール(PEG)コーティングに改良を加え、非特異吸着抑制能を10倍向上させることに成功し、DNAへのDNAヘリカーゼUvrDの結合モードの違いを、クリアに1分子レベルで観察することに成功した。さらに、UvrDのDNAへの結合分子数を明らかにするため、Cys欠失変異体を作製し、Cy5で高特異的に標識したものを用いて、一本鎖突出(dT12、dT20及びdT40)をもつ二本鎖DNA(18bp)に結合するUvrDの分子数をCy5の1分子褪色の段階数で定量し、UvrDのDNAへの結合分子数が、2分子あるいは3分子であることを明らかにした。
|
Research Products
(5 results)