2008 Fiscal Year Annual Research Report
複製因子PCNAが制御する、タンパク質ユビキチン化反応の分子機構の解析
Project/Area Number |
20770140
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
塩見 泰史 University of Hyogo, 大学院・生命理学研究科, 助教 (80380567)
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Keywords | 細胞周期 / DNA複製 / ユビキチン化 / タンパク質分解 / PCNA |
Research Abstract |
細胞周期の進行に重要な役割を担っているヒトユビキチンリガーゼ、Cul4-DDB1^<Cdt2>複合体のPCNAに依存したユビキチン化活性の解析と、この複合体によってユビキチン化される新規標的タンパク質の探索を行った。まず、DNA複製開始に必須なライセンス化因子ヒトCdt1の、Cu14-DDB1^<Cdt2>複合体によるin vitroユビキチン化の解析のため、この反応に必要なタンパク質であるE1酵素、E2酵素、Cu14-DDB1^<Cdt2>(E3)複合体(Cu14、DDB1、Cdt2、Rbx1)、PCNA、そしてCdt1の大腸菌、および、昆虫細胞発現系の構築を行った。これから高純度に精製したタンパク質を用いることで、'in vitroにおけるCdt1ユビキチン化の再現に成功した。今後、この反応系はCu14-DDB1^<Cdt2>複合体によるユビキチン化解析の有効な手段となる。 次に、Cu14-DDB1^<Cdt2>複合体の新規標的タンパク質の解析を行った。これまでに、Cu14-DDBI^<Cdt2>の標的タンパク質はCdt1しか報告されていなかったが、CDKインヒビターの一つ、p21もCu14-DDBI^<Cdt2>によって細胞周期進行過程、および、紫外線照射によってユビキチン化の標的になることをin vivoの解析から見いだした。そこで、新たにヒトp21の発現系を構築し上記のin vitro反応系で解析した結果、p21もCdt1と同様にCu14-DDB1^<Cdt2>複合体の標的となることを証明した。
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