2009 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物染色体DNA複製開始機構の生化学的・遺伝学的解析
Project/Area Number |
20770144
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
矢倉 勝 National Institute of Genetics, 細胞遺伝研究系, 研究員 (00455205)
|
Keywords | DNA複製開始機構 / 染色体DNA / 出芽酵母 / 生化学 / 遺伝学 |
Research Abstract |
本研究は、複製開始に必須な因子、特にMcm10の複製開始の諸反応における機能を詳細に明らかにする事を目的に進めている。本年度は下記の項目について行った。 1) in vitro DNA複製系の確立:出芽酵母染色体DNA複製に必須な40種類以上の因子を大量かつ容易に精製しうる系を確立し、ほぼ全ての因子の精製を完了した。Mcm2-7複合体については、複合体としての精製法について改良を必要とするが、現在、精製出来た因子については、出芽酵母粗抽出液中に加えて複製開始反応への影響を検討しつつ、精製タンパク質を用いた再構成系の構築を行っている。 2) Mcm10機能ドメインの同定:昨年度までに明らかにした、出芽酵母Mcm10のss-およびds-DNAへの結合に関して、Mcm10のDNA結合ドメインを明らかにするため、N末およびC末側を欠失した変異型Mcm10を精製し、filter binding法を用いて検討した。その結果、OB-foldが存在するMcm10の中央領域がss-およびds-DNAの結合に重要である事が明らかになった。またSELEX法を用いて、結合するDNA配列の特異性について検討した結果、DNA配列の特異性は認められなかった。さらに、トリプシンで部分消化を行った結果、OB-foldの外側の領域は、きちんとしたフォールディングをしていない事が示唆された。9月のCSH meetingにて、本研究で昨年度までに行った既報の追試を含めた結果について、討議を行った。
|