2009 Fiscal Year Annual Research Report
「in vivo 光クロスリンク法」を用いた膜タンパク質間相互作用の網羅的解析
Project/Area Number |
20770148
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
樋野 展正 The Institute of Physical and Chemical Research, 拡張遺伝暗号システム研究チーム, 研究員 (90469916)
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Keywords | タンパク質問相互作用 / クロスリンク / 非天然型アミノ酸 / 拡張遺伝暗号 / GPCR / RAMP / 質量分析 / プロテオミクス |
Research Abstract |
今年度は、研究対象として踏MP1を選択し、RAMP1と相互作用する膜タンパク質群を「in vivo光クロスリンク法」を用いて同定することを試みた。受容体活性調節タンパク質(RAMP)ファミリーは、カルシトニン受容体(CTR)やカルシトニン受容体様受容体(CRLR)を始めとするGPCR群と相互作用し、それらの細胞表面への移行及びリガンド特異性を決定する因子群である。RAMPと相互作用するGPCRはCTR、CRLRを含め数種類のみが知られている。前年度までに、RAMP1の細胞外ドメイン上の様々な箇所にクロスリンカーとして働く非天然型アミノ酸であるパラベンゾイルフェニルアラニンを導入した変異体を作製し、既知のターゲットであるカルシトニン受容体様受容体(CRLR)との間に架橋が形成されるかどうかを指標にして、クロスリンカーの適切な導入位置を決定することに成功していた。今年度は、まず、クロスリンカーを導入したこれらのRAMP1変異体が他のGPCRと架橋するかどうかを調べた。しかし、CTRを始めとする他のGPCR群との架橋の形成は見られなかった。そこで、クロスリンカーの導入箇所をより幅広く選択するとともに、クロスリンカーの種類をジアジリン基を含むものに変更してさらなる検討を行ったところ、CRLR及びCTRと架橋しうる変異体を得ることに成功した。この結果は、RAMP1がC趾R、CTRに対して同じ相互作用様式で結合することを示すものである。膜タンパク質問の相互作用解析は通常困難であるが、本研究では、生きた細胞中で膜タンパク質複合体を部位特異的に架橋、安定化して単離することで解析可能にし、RAMP1とCRLR, CTRが直接相互作用していることを示すことができた。
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