2008 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン細胞骨格とメンブレントラフィックを統合する細胞極性シグナルの実体の解明
Project/Area Number |
20770150
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 賢太郎 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50302815)
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Keywords | アクチン / 分裂酸母 / 小胞輸送 / 細胞質分裂 / 隔壁 / 形態形成 / 細胞極性 / エキソサイトーシス |
Research Abstract |
細胞の極性は、細胞の形態形成や細胞運動を中心とする細胞の機能発現や機能分化において重要な情報であり、酵母のような単細胞真核生物の生存からヒトにおける高次生命システムの構築や維持に至るまで不可欠である。極性情報の下では、細胞骨格の分布や配向が制御され、方向性を伴った細胞内の物質輸送(メンブレントラフィック)が促される。この過程において低分子量GTPaseを介在したシグナル伝達経路が、特に、Rho GTPaseは細胞骨格に、Rab GTPaseはメンブレントラフィックの制御において、極めて重要な役割を果たすことが分かっている。しかし、これらのシグナルがどのように統合されて、そして細胞が極性を示すのかについては不明な点が多い。そこで、平成20年度は、分裂酵母の極性成長におけるRho3 GTPaseとそのターゲットの一つであるFor3、Rab型GTPaseのYpt2、およびV型ミオシンMyo4の機能関連性を中心に理解することを目指した。まずFor3が形成するアクチンケーブルの配向性と動態を調べるために、異なる発光波長の自家蛍光蛋白質(EGFP、mCherry)を用いてアクチン繊維をライブイメージングできる系を改良した。その結果、従来の系よりも高精度で長時間、アクチン細胞骨格の挙動を追跡することができた。さらに現在は、この観察系にMyo4を加えて、細胞内での動きを追跡しているところである。一方、Myo4と分泌小胞との結合のしくみを調べるために、Myo4の尾部領域の結合蛋白質を探索した。しかし、これまでのところ候補となる分子は同定できていない。また、Ypt2とMyo4の結合性も確認できなかった。
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