2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア形態制御に関与する新しい分子の分子細胞生物学的な解析
Project/Area Number |
20770156
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 信大 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (80361765)
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Keywords | 脱ユビキチン化酵素 / ミトコンドリア / 変異体 / ゼブラフィッシュ / 酵素活性 / RNAi |
Research Abstract |
1. ミトコンドリア脱ユビキチン化酵素USP30の活性制御機構について調べるため,酵素活性ドメインに変異を導入して脱ユビキチン化酵素活性に影響がないか解析した。多くの脱ユビキチン化酵素に保存されているアスパラギン残基またはアスパラギン酸残基は活性に重要であることが予想されているが,USP30にはないので点変異によりアスパラギン酸残基を導入した。しかしながら,この変異によってUSP30の活性に変化は認められなかった。また,幾つかの脱ユビキチン化酵素の活性ドメイン内に存在するユビキチン様ドメインが活性に必要であることを本研究により見出たので,USP30の活性ドメイン内にユビキチン様ドメインを挿入したところ,ユビキチン鎖の選択制や分解速度に影響は認められなかった。したがって,USP30の活性制御はこれまでに知られていないメカニズムによって制御されていることが予想された。2. USP30およびMARCH-Vの発現抑制をRNAiにより行い,細胞機能に与える影響を調べたところ,USP30の発現抑制によって細胞増殖が促進されているような結果を得た。現在,USP30と細胞周期調節との関連について解析を進めている。3. ゼブラフィッシュ稚魚の体表にはイオン輸送性の上皮細胞がありミトコンドリアを極めて多量に持つことが知られている。私たちのグループではこの細胞の分化に関わる分子群の同定に成功した。さらに,新たな調節因子の同定を目指し解析を行っておりミトコンドリアの数を調節する分子の特定につながる可能性も考えられる。
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Research Products
(2 results)