2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己炎症性疾患の原因タンパク質であるPSTPIPsの細胞運動における役割
Project/Area Number |
20770158
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
辻田 和也 Kobe University, 医学研究科, 助教 (10457054)
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Keywords | 細胞骨格 / 細胞内シグナル伝達 / 細胞膜 / Phagocytosis |
Research Abstract |
前年度の研究によりPSTPIP2をノックダウンするとPhagocytosisが亢進することが明らかとなったので、その分子メカニズムを解析した。 1. PSTPIP2はphagocytosisの際、未熟なphagocytic cupのみに局在することから、cup形成におけるアクチン重合を負に制御していることが示唆された。 2. マクロファージにphagocytosisを誘導するとPSTPIP2のチロシン残基がリン酸化されることが分かった。またそのリン酸化はSrcファミリーに依存することが明らかとなった。 3. 次にPSTPIP2のリン酸化を阻害する変異体を作製し、細胞内局在を野生型と比較したところ、変異体のcupへの局在が増えていることが分かり、PSTPIP2はリン酸化によって細胞膜から解離することが示唆された。 4. 次にPSTPIP2をノックダウンしたマクロファージに野生型、各種変異体(脂質に結合できない変異体、リン酸化されない変異体、リン酸化状態をミミックした変異体)を発現させレスキュー実験を行った。その結果PSTPIP2がphagocytosisを負に制御するためには脂質に結合してcupに局在すること、またそのリン酸化はPSTPIP2を細胞膜から解離させ、phagocytosisを誘導するために必要であることが示唆された。 5. PSTPIP2はチロシンホスファターゼであるPTP-PESTファミリーに結合することが分かっているがその役割は不明である。そこでPTP-PESTに結合できない変異体は作製し、レスキュー実験を行ったところ、PSTPIP2とPTP-PESTの結合はphagocytosisを負に制御するために重要であることが分かった。 本年度の結果より、PSTPIP2がphagocytosisを負に制御するメカニズムの一端を解明することができた。このことにより、自己炎症性疾患の原因の一つはphagocytosisの亢進であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)