2008 Fiscal Year Annual Research Report
染色体分配制御因子セパラーゼとセキュリンによる哺乳類の細胞周期制御機構の解析
Project/Area Number |
20770162
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
熊田 和貴 Japanese Foundation For Cancer Research, 細胞生物部, 研究員 (10370149)
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Keywords | 染色体分配 / 細胞周期 / ノックアウトマウス / 癌 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究の目的は、separaseとsecurinの、それぞれのコンディショナルなノックアウトマウスを利用して、哺乳類細胞中での、separaseとsecurin両タンパク質の機能をより詳細に理解することである。本年度は、変異マウスに由来するMEF (mouse embryonic fibroblast)細胞のline化と、それを用いた同調培養系の確立を試みた。その結果separaseとsecurin、それぞれをコンディショナルにノックアウトできるMEF 細胞を不死化し、細胞株としての樹立に成功した。また、その細胞株を用いた同調培養系の確立に関しても、未だ改良の余地は残るものの、一定の成果を得、これらを用いた、同調培養条件下でのseparase、ならびにsecurinタンパク質のコンディショナルなノックアウトにも成功した。これにより、separaseとsecurin両タンパク質の細胞周期における機能に関して、これまで以上に詳細な解析が可能となった。 また、培養細胞において、野生型securin、並びに複数の変異securinを外来性に発現させる系も確立し、いくつかの変異securinが細胞の増殖に影響を及ぼすことも見出した。securinタンパク質の機能ドメインの同定やその制御を明らかにできることを期待し、現在解析を行っている。 さらに、個体レペルにおいて、現在ケラチン14 のプロモーター下でCre-recombinaseを発現するマウスや、インシュリンプロモーター下でCre-recombinaseを発現するマウスとのかけ合わせを進めており、これらのマウスにおいて時期特異的、組織特異的にseparase、ならびにsecurin がそれぞれノックアウトされた表現型を詳細に解析することで、個体レベルでのseparase, securin両タンパク質の機能が明らかになるものと期待している。
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