2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規解析系を用いた核-細胞質間タンパク質輸送経路同定と制御機構解析
Project/Area Number |
20770166
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小瀬 真吾 The Institute of Physical and Chemical Research, 今本細胞核機能研究室, 専任研究員 (90333278)
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Keywords | 核内移行 / 分子シャペロン / Importin / 熱ショック |
Research Abstract |
熱ショック時には、通常の塩基性核局在化シグナル依存的なタンパク質の核内移行は強く阻害されるが、分子シャペロンHsc70などは、速やかに細胞質から核内た移行する。このような環境外刺激後の細胞内輸送システム変化が、細胞機能発現にどのように寄与しているのか、その解析はまだ十分にはなされてない。本研究は、Hsc70の核内移行メカニズムを明らかにするとともに、熱ショック等における細胞内輸送システム変化の機能解析を行うことを目的としている。本年度は以下のことを明らかにした。 核-細胞質間輸送担体Importin βファミリー分子群は、疎水性相互作用クロマトグラフィーによって比較的簡単に細胞抽出液から吸収することが出来る(この細胞抽出液を吸収サイトゾルとする)。この吸収サイトゾルに、各Importin βファミリー分子のリコンビナントタンパク質を再添加することで、in vitro輸送系において、個々の輸送経路を再構築することが出来た。 熱ショック処理したHeLa細胞からの細胞抽出液をin vitro輸送系に用いることで、Hsc70の核内移行を再構築出来たが、上記アッセイ系では、どのImportin βファミリータンパク質もHsc70の核内移行を促進しなかった。そこで、Hsc70の核内移行を促進する活性を指標として、細胞抽出液の分離精製を試みた。その結果、Importin βファミリーに属さない機能未知なタンパク質を同定した。この分子のリコンビナントタンパク質はHsc70核内移行を強く促進する活性を持つことを、in vitro 輸送系で確認した。
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