2008 Fiscal Year Annual Research Report
生殖幹細胞の減数分裂移行と相同組換え制御の分子基盤
Project/Area Number |
20770177
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中馬 新一郎 Kyoto University, 再生医科学研究所, 助教 (20378889)
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Keywords | 生殖細胞 / 減数分裂 / 相同組換え / 発生 / ゲノム |
Research Abstract |
生殖細胞は遺伝情報を次世代に伝達し、個体発生の起点となる細胞系譜である。生殖細胞ゲノムの正確な保持と伝達は個体発生、種の継続に重要である一方、減数分裂による1倍体化と相同遺伝子組換えによって遺伝情報の多様性が生まれる。減数分裂の制御および相同遺伝子組換え機構の研究は主に酵母を用いて行われる一方、多細胞生物においてその分子基盤の解明は進んでいない。申請者はマウス生殖幹細胞株が第1減数分裂前期に同調して移行し相同染色体対合を行う培養実験条件を作出した。平成20年度は同生殖幹細胞株のin vitro減数分裂移行過程において(1)mRNA発現プロファイリング、減数分裂機能蛋白質発現と局在変化、電子顕微鏡観察による相同染色体対合、FAcsによるゲノムDNA含量の経時変化、(2)GDNF、bFGF下流のシグナル伝達分子群とレチノイン酸レセプター群の活性化・不活性化制御およびクロストーク、について詳細に解析し、またin vivo精巣遺伝子導入法を用いて(3)GDNF、bFGF下流シグナル伝達分子およびレチノイン酸レセプターのdominant positive、dominant negative体発現およびRNAi機能抑制実験を行い、これら分子経路のfirst-wave spermatogenesis過程での減数分裂移行における生理機能の研究を行った。また相同染色体対合と相同遺伝子組換え複合体形成が異なるシグナル制御を受ける可能性が明らかとなった。これらの解析は平成21年度に引き続き発展、展開する。
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Research Products
(4 results)