2009 Fiscal Year Annual Research Report
生殖幹細胞の減数分裂移行と相同組換え制御の分子基盤
Project/Area Number |
20770177
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中馬 新一郎 Kyoto University, 再生医科学研究所, 助教 (20378889)
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Keywords | 生殖細胞 / 減数分裂 / 相同組換え / 発生 / ゲノム |
Research Abstract |
生殖細胞は遺伝情報を次世代に伝達し、個体発生の起点となる細胞系譜である。生殖細胞ゲノムの正確な保持と伝達は個体発生、種の継続に重要である一方、減数分裂による1倍体化と相同遺伝子組換えによって遺伝情報の多様性が生まれる。減数分裂の制御および相同遺伝子組換え機構の研究は主に酵母を用いて行われる一方、多細胞生物においてその分子基盤の解明は進んでいない。研究代表者はマウス生殖幹細胞株が第1減数分裂前期に同調して移行し相同染色体対合を行う培養実験条件を作出した。平成21年度は同生殖幹細胞株のin vitro減数分裂移行過程において(1)減数分裂誘導に伴いDNA複製、cohesin複合体及びaxial element形成、ヒストン修飾等のクロマチン動態と未分化幹細胞マーカーの消失および細胞周期、DNA組換え複合体等の詳細な時系列解析、(2)減数分裂誘導におけるAktとレチノイン酸レセプターの活性化、不活性化制御およびレンチウィルスベクターを介した各種dominant positive、dominant negative体発現による分子機能解析とシグナル伝達クロストーク、(3)生殖幹細胞株のマウス新生仔精巣への移植法を用いたAkt、レチノイン酸レセプター経路の生体での生理機能の検証、を行った。これらの研究により培養下においてマウス未分化生殖幹細胞から第一減数分裂初期へ同調して移行する極めて重要な実験系の確立と体細胞一減数分裂周期を制御するシグナル伝達クロストークの解析を行った。
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Research Products
(4 results)