2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の頭部形成に関わる新規Dvl結合因子DBPの機能解析
Project/Area Number |
20770179
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 朗 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70464302)
|
Keywords | シグナル伝達 / 発生・分化 / Wnt / Dvl / 脳・神経 |
Research Abstract |
Wntシグナル伝達経路は、線虫、ショウジョウバエのような無脊椎動物から、マウス・ヒトまで種間を超えて高度に保存されたシグナル伝達経路である。細胞外分泌因子Wntはその受容体Fz(Frizzled)に結合し、Fzを通して細胞内の3つの経路(βカテニン経路、平面内細胞極性(PCP)経路、Ca経路)へと伝えられて行く。そのうちβカテニン経路とPCP経路では、Fzからのシグナルが細胞内因子Dishevelled(Dvl)へと伝えられる。そして、Dvlを境に、細胞の増殖と分化を制御するβカテニン経路と、細胞骨格の制御を介して細胞運動と細胞極性の決定へと導くPCP経路に分岐する。しかし、Dvlがこれら2つのシグナル伝達経路を如何にして制御して、その下流へと伝えているのかに関しては依然として不明な点が多い。そこで本研究では、DvlをbaitとしたYeast two hybrid screeningを行い、脊椎動物では全くの新規Dvl結合因子Dishevelled Binding Protein(DBP)を単離した。本年度の成果は以下の通りである。 (1) DBPポリクローナル抗体の作製 大腸菌のタンパク発現系を用いて、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合マウスDBP(mDBP)タンパクを大量に調整・精製を行い、精製mDBPタンパクを抗原としてウサギに免疫しDBP特異的なポリクローナル抗体を作製した。 (2) DBP特異的siRNAの設計 DBP特異的なsiRNAを5種類設計・合成し、上記のDBP抗体を用いて、マウス繊維芽細胞株(NIH3T3)での内在性DBPを高効率にノックダウンできるsiRNAを選別した。 現在、NIH3T3細胞において内在性DBPをノックダウンした状況下でのβカテニン経路とPCP経路に対する影響を解析している。
|
Research Products
(3 results)