2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770184
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 文和 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40345848)
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Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 発生・分化 / 脳・神経 / 分子局在 / 神経回路形成 / 軸索誘導 / プレキシン |
Research Abstract |
海馬神経回路網では、由来の異なる入力線維が標的細胞樹状突起の異なる部位に特異的に投射しシナプス結合をする(セグメント特異性)。我々はすでに、軸索誘導分子受容体プレキシン分子ファミリーはこれらの特異性を制御する分子である事を報告しており、さらに、回路形成時期において異種のプレキシン分子が細胞の異なる部位(樹状突起または軸索)に局在することから、プレキシン分子の分子局在機構が海馬神経回路の形成を制御する分子機構であると予測している。そこで、プレキシン分子の局在機構を解明するために、樹状突起に局在するplexin-A2について種々の分子内欠損タンパク質発現コンストラクトを作製し、初代培養神経細胞を用いた分子分布解析を行い、分子局在に必要な領域を同定した。この成果により、セグメント特異的な入力線維の投射におけるplexin-A2分子局在の役割を明らかにする事が可能となった。一方、成体海馬では、入力線維は1本の軸索上で複数の標的細胞とシナプス結合を形成する事が明らかになっている。そこで、成体期におけるplexin-A4分子の分布解析を行なったところ、plexin-A4が軸索上に均一に存在するのではなく、軸索上の特性のセグメントに局在することを見出した。このことは、plexin-A4が神経回路形成における軸索走行を制御するだけでなく、シナプス形成やその維持に関与する分子であることを示唆するものである。
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