2008 Fiscal Year Annual Research Report
クシクラゲBrachyuryから探る後生動物に保存された細胞運動制御機構
Project/Area Number |
20770190
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 温子 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 博士研究員 (60333217)
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Keywords | 細胞運動 / 進化 / Brachyury / クシクラゲ / ツメガエル |
Research Abstract |
本研究課題は、Nrachyury遺伝子(Bra)による後生動物に保存された細胞運動の制御機構について、クシクラゲ胚とツメガエル胚を用いて比較・解析するものである。平成20年度は、クシクラゲBra(M1Bra)の機能抑制型(M1Bra-EnR)をツメガエル胚に導入し、その表現型をツメガエルBra(Xbra)の機能抑制型(Xbra-EnR)の場合と比較した。その結果、M1Bra-EnRの注入は、Xbra-EnRの場合と同様に、(1)ツメガエル胚の原腸陥入過程におけるConvergent Extension (CE)を阻害すること、(2)Xbraの発現を抑制すること、(3)Xbraの下流で働く因子として知られるXwnt-11の発現を抑制すること、(4)中胚葉に関わる分子(pintallavis, chordin)の発現には影響しないことを明らかにした。これらの結果から、M1Braはツメガエル胚の中でXbraと共通の分子機構によってCEを調節できることが示唆された。次に、Braを上流因子としたCEの分子的基盤を明らかにするために、M1Nra-EnRあるいはXbra-EnRを注入したツメガエル胚を用いてマクロアレイ解析を行った。正常なものと比較し、両者で共に発現が増加、あるいは、減少した分子をBraの下流に位置する分子の候補として単離した。その中には、筋形成、神経形成に関連する分子の他、Notchシグナルに関わる分子が多数含まれていた。また、機能が不明な分子も数多く含まれており、これらの分子がCEに果たす役割を明らかにすることが重要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)