2009 Fiscal Year Annual Research Report
クシクラゲBrachyuryから探る後生動物に保存された細胞運動制御機構
Project/Area Number |
20770190
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 温子 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 博士研究員 (60333217)
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Keywords | 細胞運動 / 進化 / Brachyury遺伝子 / クシククラゲ / ツメガエル |
Research Abstract |
本研究課題は、Brachyury遺伝子(Bra)による後生動物に保存された細胞運動の制御機構について、クシクラゲ胚とツメガエル胚を用いて比較・解析するものである。平成21年度は、Braの下流に位置する分子の候補(平成20年度において、ツメガエル胚を用いたマイクロアレイ解析から単離された163遺伝子)について、更なる選別を行った。まず、ホールマウントin situハイブリダイゼーション法を用いた発現解析を行い、ツメガエルBra(Xbra)の発現と重なることを指標に選別を行った。次に、ツメガエル胚を用いたアニマルキャップアッセイから、Xbra RNAあるいはクシクラゲBra RNA (MlBra)の注入によって共に発現が促進される遺伝子を選別した。このような選別から、purine-nucleoside phosphorylase遺伝子とhairy and enhancer of split 9遺伝子が、Xbraの下流に位置する分子として同定された。先の発現解析は、この2遺伝子が初期原腸胚において原口の周りで陥入する細胞に発現することを示しており、この発現パターンはXbraの場合と一致していた。従って、purine-nucleoside phosphorylaseとhairy and enhancer of split 9はXbraの下流で原腸陥入を制御する可能性が示唆された。次に、これら2遺伝子のクシクラゲホモログの単離のため、縮重プライマーを用いたPCRを行った。しかし、本研究ではこれらのホモログ遺伝子を同定することはできなかった。この結果は、この2遺伝子がクシクラゲには保存されていない可能性と縮重プライマーの設計が適切でなかった可能性を区別しない。従って、米国にて現在進行中のクシクラゲゲノムプロジェクトの成果を利用したホモログ遺伝子の同定が必要であるということが分かった。
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Research Products
(2 results)