2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780002
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西田 英隆 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (30379820)
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Keywords | コムギ / 春播性遺伝子 / Vrn-D5 / Vrn-D4 / クローニング |
Research Abstract |
[目的] 本研究の目的は、コムギの春化要求性(春播型・秋播型)を決定する春播性遺伝子Vrn-D5(現在はVrn-D4に改名、以降Vrn-D4)をマップベース・クローニングすることである。 [前年度までの状況] TD(F)(Vrn-D4保有)x早小麦(Vrn-D4非保有)のF2集団258個体及びF3系統を用いて分離分析を行い、Vrn-D4が染色体5D動原体近傍のSSRマーカーXcfd78(短腕に座乗)とXbarc205(長腕に座乗)に挟まれた1.8cM領域に座乗し、Xcfd67(長腕に座乗)と共分離することを明らかにした。Vrn-D4が座乗する染色体領域を絞り込むためには、Vrn-D4とXcfd67の間で組換えが生じた個体の獲得や、新規DNAマーカー開発による遺伝地図の高密度化が必要である。 [本年度の研究成果] 新たにF2集団300個体を供試して連鎖解析を行ったが、Vrn-D4-Xcfd67間で組換えが生じた個体は得られず、両者の連鎖は極めて強固であることが判明した。このため現在F2集団の規模をさらに拡大しているところである。 Vrn-D4近傍領域の遺伝子に由来するEST群をシーケンス解析した結果、その中の一つBG313707で両親間に多型が見出された。このマーカーを用いてマッピング集団の解析を開始したところであるが、現在のところまだVrn-D4との組換えは得られていない。しかし、ESTマーカーはイネとのcolinearityを利用できることから、今後マッピングを進めていく上で重要な足がかりが得られた。 この他、TD(F)x合成コムギ(Vrn-D4非保有)のF2集団を供試しマッピングを進めている。このF2集団では、TD(F)x早小麦のF2集団と比べて多くのDNAマーカーが利用できる。今後の解析は両F2集団を相互補完的に利用して進める予定である。
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