2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミヤコグサの農業形質に関するQTLとマメ科植物とのシンテニー領域の解明
Project/Area Number |
20780003
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
権藤 崇裕 University of Miyazaki, フロンティア科学実験総合センター, 研究員 (10437949)
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Keywords | ミヤコグサ / モデル植物 / QTL / シンテニー / 裂莢性 / 農業形質 |
Research Abstract |
ミヤコグサ(Lotus japonicus)は、マメ科のモデル植物であり、その遺伝情報をダイズなどのマメ科作物の育種へ応用することが期待されている。本研究は、ミヤコグサにおける農業形質に関するQTLとマメ科植物とのシンテニー領域を解明し、モデル植物から作物への研究の可能性を模索する。本年度は、マメ科作物で重要な形質の一つである裂莢性について、解析を行った。ミヤコグサ実験系統Miyakojima MG-20(Miyakojima)とGifu B-129(Gifu)のRI系統110系統を温室内で栽培し、完全に登熟した莢を採取して、裂莢性を調査した。RI系統の裂莢率は、親系統であるMiyakojimaとGifuをもとに大きく分離しており、連続した分布を示していた。検出されたQTLは、4個であり、第1および第3染色体上にそれぞれ1個、第4染色体上に2個認められた。最も効果の高いQTLは、第4染色体に座乗し、LOD値が2.8、寄与率が9.4%でGifuアリルを増加させる作用を示していた。一方、その他3つのQTLは、全てGifuアリルを減少させていた。以上のことから、ミヤコグサの裂莢性は、ダイズのように主要なQTLが支配しているのではなく、効果の低いQTLが複数関与しているものと考えられる。次年度は、裂莢性だけでなく、これまで解析してきた開花、草丈、草型、莢の形質、種子重など13の農業形質について、マーカー数を増やし、さらに詳細なQTL解析を行うとともに、ミヤコグサと他のマメ科植物とのゲノムシンテニーを利用して、QTL領域の対応関係を解析する。
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