2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報とバイオリソースを利用したイネ生殖隔離遺伝子の同定とその起源と分布
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20780004
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
一谷 勝之 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (10305162)
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Keywords | クロロシス / 雑種弱勢 / 生殖隔離 |
Research Abstract |
本課題では,雑種クロロシス,F_2雑種弱勢という2種類のイネ生殖隔離現象に関する遺伝子の同定を行い,生殖隔離を引き起こす機構を明らかにするとともに,それらが座乗する染色体領域がイネの品種分化に与えた効果について考察する. 1. 雑種クロロシスhca1,hca2:インド型品種で例外的にhca2遺伝子をもつ品種IR24とhca1遺伝子をもつ滋賀県の在来品種J147との交雑F_5世代を育成し,DNAマーカーを用いて両遺伝子の高密度連鎖分析を行った.その結果,hca1は染色体12短腕末端のSSRマーカーRM27404と共分離を示し,このマーカーの近傍に位置することが明らかになった.hca2は染色体11短腕末端のSSRマーカーRM25969よりもさらに短腕末端側に位置することが明らかになった.また,IR24とJI47の交雑F_2を供試し,個体毎にクロロシス発現の有無とhca1,hca2にそれぞれ連鎖するRM27404とRM25969の遺伝子型を調べることにより,雑種クロロシスに関与する遺伝子はhca1,hca2以外にはないことを確かめた 2. F_2雑種弱勢:インド型品種IR36と熱帯日本型品種Jamaicaとの雑種後代で見いだされた雑種弱勢現象に関わる2個の劣性遺伝子のうち,染色体1に座乗する遺伝子の高密度連鎖解析を行った.その結果,この遺伝子は,日本晴のBACクローンP0506E04上の約65kbpに対応する領域に座乗することが明らかになった.また,もう一方の遺伝子は染色体2短腕に座乗する遺伝子であり,両遺伝子が合わさることで弱勢現象が起きることをIR36とJamaicaの交雑F_2を供試することにより確かめた.
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