2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の脱分極に関わるPMP3の機能および環境ストレス応答における生理的役割の解明
Project/Area Number |
20780011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三屋 史朗 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 助教 (70432250)
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Keywords | 作物 / 耐塩性機構 / イネ / 分子生物学 / イオンホメオスタシス |
Research Abstract |
植物や酵母細胞における耐塩性に寄与する塩誘導性PMP3タンパク質の機能解析および植物の耐塩性機構における生理的役割の解明を目的として、イネを用いて以下の研究を行った。 1、イネOsPMP3遺伝子群の発現解析 7つのOsPMP3遺伝子群のイネ植物体における発現部位を調べたところ、主に葉身または根において発現量が多く見られた。 2、OsPMP3タンパク質の細胞内局在性の解析 OsPMP3-3およびOsPMP3-4タンパク質と緑色蛍光タンパク質の融合タンパク質を用いた実験より、これらのOsPMP3タンパク質は細胞膜に局在することが示唆された。 3, OsPMP3-3遺伝子過剰発現イネの成育調査 OsPMP3-3遺伝子過剰発現および空ベクター導入イネのT3種子を土耕栽培したところ、OsPMP3-3遺伝子過剰発現株で顕著な成長の遅延が起きた。またICP-AES分析により複数のイオン含量が増加または減少の変化が見られ、イオン恒常性の異常が起きたと考えられた。 4、イネまたは酵母PMP3の機能解析 PMP3遺伝子破壊酵母(Δpmp3)およびイネOsPMP3-3遺伝子を導入したΔpmp3酵母を用いた解析より、Δpmp3酵母はNaClだけでなくCaやMgなどにも感受性を示し、ZnやAlには逆に耐性を示した。OsPMP3-3はΔpmp3酵母の表現系を相補したことから、酵母およびイネPMP3は塩ストレスにだけでなく、様々なイオンホメオスタシスの調節に関わることが示された。
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