2008 Fiscal Year Annual Research Report
果樹作物における一過的RNAサイレンシング法の確立とその成熟制御因子解析への利用
Project/Area Number |
20780021
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中野 龍平 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70294444)
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Keywords | RNAサインレンシング / hair-pin RNAi / ブドウ / 着色関連遺伝子 / 成熟制御因子 |
Research Abstract |
本年度には、果樹作物において一過的RNAサイレンシング法の確立を試みるとともに、その技術を用いた成熟制御因子の解析を開始することを目的とし、以下の6項目に分類される研究を行った。 1、 既知の着色関連遺伝子を用いた一過的RNAサイレンシング用コンストラクトの作成。 (1) 来のRNAサイレンシング用のベクターでは果実への遺伝子導入の効率が低いことが判明した。そこで、CRISOのpHannvalベクターの一部分をアグロインジェクション用ベクターpCambia 0380に移替え、一過的RNAi専用のベクター(pCam 0380 hair-pin)を作成した。このベクターによりイチゴで予備実験をしたところ、遺伝子導入効率が向上した。 (2) 次に、pCam 0380 hair-pinへ既知の着色関連遺伝子(ブドウCHS遺伝子、myb遺伝子など)を挿入したコンストラクトの作成に成功している。 2、 Gus遺伝子コンストラクトを用いた遺伝子導入方法の確立。 Gus遺伝子を持つコンストラクトを果実に導入し、Gus遺伝子による青色発現により導入効率を検討した結果、80%近くの高いの導入効率が得られた。 3、 着色関連遺伝子コンストラクトを用いた一過的RNAサイレンシン手法グの確立。 着色関連遺伝子の一過的RNAサイレンシングを試みたところ、特に、ブドウにおいて、CHS遺伝子およびmyb遺伝子いずれに関しても、着色の抑制が観察され、一過的RNAサイレンシング手法が機能している可能性が示唆された。本年度は供試個体数が少なかったので、6、で準備した個体を用いて、次年度以降において、反復数を増やして研究を進める予定である。 その他、 4、 解析候補となる成熟制御因子の絞り込み。 5、 成熟制御因子(MADS-Box転写因子)解析用コンストラクトの作成。 6、 供試材料の大量育成(特に、超密植栽培法を用いたブドウ鉢植の準備に成功)。 などを進めた。
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Research Products
(2 results)