2009 Fiscal Year Annual Research Report
果樹作物における一過的RNAサイレンシング法の確立とその成熟制御因子解析への利用
Project/Area Number |
20780021
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中野 龍平 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70294444)
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Keywords | RNAサインレンシング / hair-pin RNAi / カンキツ / 着色関連遺伝子 / 成熟制御因子 / MADS-Box転写因子 |
Research Abstract |
本年度には、果樹作物において一過的RNAサイレンシング法の確立を試みるとともに、その技術を用いた成熟制御因子の解析を開始することを目的とし、以下の4項目に分類される研究を行った。 1) 超密植栽培による鉢植ブドウの多数育成 作年度までに開発したブドウにおける一過的RNAサインレンシングをより本格的に実施するためには、多数の鉢植個体が必要である。そこで、昨年度までに準備した個体に加え、岡山県農業試験場が開発した超密植栽培法を利用し、より多数の果実を付ける鉢植個体の準備を試みた。その結果、2品種合計40の鉢植着果個体の育成に成功した。 2) トマトを用いた解析の候補となる成熟制御因子の絞り込み 作年度までの研究により、解析の候補遺伝子が予想以上に多数存在することが分かった。そこで、トマトにおいて獲得しているVIGS法による簡易なRNAサイレンシング手法を用いて、ブドウやカンキツにおいて解析するべき因子の絞り込みを行った。その結果、新たにMADS-Box転写因子に属するAP3, TM6, AGおよびAGL1が候補因子として選抜できた。 3) ブドウ成熟制御因子に関する、hair-pin RNAiコンストラクトの作成 2) で絞り込まれたAP3, TM6, AGおよびAGL1に関して、ブドウのホモログ遺伝子を単離し、これらを挿入したhair-pin RNAi用のコンストラクトを作成した。 4) カンキツにおけるhair-pin RNAiによる一過的RNAサインレンシング手法の確立 カンキツにおいてカロテノイド合成に関わるCs-Chl1およびCs-PDS1の単離に成功した。さらに、これらの遺伝子について、hair-pin RNAiコンストラクトを作成し、RNAサイレンシングを実施した。その結果、果皮ディスクを用いた方法では不十分であり、樹上処理の必要性が明らかとなった。
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