2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロンイメージング技術を用いた果実への光合成産物蓄積機構の解明
Project/Area Number |
20780025
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
菊地 郁 National Agricultural Research Organization, 野菜茶業研究所・野菜ゲノム研究チーム, 主任研究員 (30360530)
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Keywords | 果実 / 光合成産物 / ナス / 非破壊 / ポジトロン |
Research Abstract |
ポシトロン放出トレーサーの二次元分布を非破壊かつ経時的に解析できるPositron-emitting tracer imaging system(PETIS)を用い、ナス果実における光合成産物の蓄積様式について解析を行った。今年度は葉位(果実に対して葉のついている位置)の異なる葉を用いて、葉から果実へ移行する光合成産物の動態について解析を行った。まず、第1果実の直上葉に^<11>CO_2を与え、施与開始~3時間後までを果実を対象にPETISで測定し、測定したPETIS画像を用いて葉から果実へ移行する^<11>C-光合成産物の移行速度および移行量の解析を行った。また、果実における光合成産物の分配部位についても解析を行つた。さらに同一の個体を用いて、^<11>CO_2を与える葉位を果実直下または果実下2枚目の葉に変えて、上記と同様に測定を行い、直下および下2枚目の葉から移行する^<11>C-光合成産物についても解析を行った。その結果、果実へ移行した^<11>C-光合成産物の量は果実直下葉からが最も多く、ついで果実下2枚目となった。果実直上葉から果実へ移行する^<11>C-光合成産物量は他の2葉に比較してごくわずかであった。また果実における分配部位も葉位によって異なることが明らかとなった。葉位による光合成産物の移行量や分配部位の変化は曲がり果など奇形果の発生に大きく影響すると考えられた。そこで曲がり果の発生した個体を用い、曲がり果における光合成産物の分配パターンと葉位との関係について解析を行った。さらに、栽培時に果実の直上、直下、下2枚目の葉だけを残して他の葉を摘葉し、生成した果実の曲がりの程度の評価を行なった。その結果、葉位による光合成産物の動態変化と曲がり果の曲がり程度との間には関連性があることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)