2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780031
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平田 久笑 Shizuoka University, 農学部, 助教 (00432196)
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Keywords | 病原細菌 / 植物 / カンキツ / カンキツかいよう病 |
Research Abstract |
カンキツの病原細菌Xanthomonas axonopodis pv. citriのエフェクタータンパク質(Apll)は、本細菌の特徴的な病徴である「かいよう」の形成に必須な因子であることが知られている。このエフェクタータンパク質と結合する植物側因子をin vitroで探索した結果、複数種のカンキツタンパク質が単離・同定された。エフェクターおよび植物(カンキツ)タンパク質のそれぞれを、蛍光タンパク質との融合タンパク質として植物細胞内で発現させ、in vivoでの特異的な結合と双方の共発現による局在性の変化を確認した。非宿主植物に由来する同様なタンパク質(アイソザイム)との結合性は認められないことから、観察された結合は、感染や病原性の発現に特異的な相互作用である可能性が示唆された。 また、X. axonopodis pv. citriの感染に伴う宿主細胞・組織の変化を調べることにより、病徴発現に伴い活性が変化する酵素群が同定された。酵素活性の変化が、かいよう形成や病原性にどのような役割があるかを調べることを目的として、RNAi誘導によるカンキツ遺伝子の発現量の調節を試みた。その結果、例えば、TERT(Telomerase reverse transcriptase)遺伝子の発現を抑制したカンキツ葉にX. axonopodis pv. citriを接種すると、初期病徴である水浸症状は通常条件(非RNAi誘導)と差が認められなかったが、その後かいようの形成は遅延し弱くなることを確認した。 今後、これらタンパク質や酵素遺伝子群の発現量の変化、および免疫組織化学・免疫電子顕微鏡による局在の変化を観察することにより、詳細な機能解析を行う予定である。
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