2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780049
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
天知 誠吾 Chiba University, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (80323393)
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Keywords | ヨウ素 / 微生物 / Real-time PCR / 海洋エーロゾル / マルチ銅オキシダーゼ / クローニング |
Research Abstract |
2つの系統グループからなるヨウ素酸化細菌(IOB-1、IOB-2)の16S rRNA遺伝子を元に設計したPCRプライマーの特異性を確認するため、東京湾及び千葉県外房海水より抽出したDNAを鋳型とし、増幅産物をクローニングした。その結果、全ての海水からIOBに97〜100%相同なクローンのみが得られた。さらに、SYBR-Green Iを用いたReal-time PCRによりIOBとその近縁菌のCt値を比較したところ、いずれのプライマーでもIOBは近縁種と比較して有意に低いCt値を示した。IOBの検出限界は10^2〜10^3コピーであった。以上の結果より、プライマーの特異性が確認された。次に、海水中のIOBの存在比を定量するため、上記プライマー、および全バクテリアを標的とするuniversalプライマーを用いたReal-time PCR条件の最適化を行った。前増幅を介さないで定量を行うため抽出DNAに混在するPCR阻害物を除去する必要があったが、DNA精製Kitを用いることで、特異的な定量が十分可能であることが明らかとなった。海水中の全バクテリアに占めるIOBの存在比を定量したところ、IOB-1は0.05〜04%、IOB-2は0.04〜1.14%存在することがわかった。また、ヨウ素を添加してIOBを集積した海水中では、IOBの存在比は最大で82.2%まで増加することがわかった。ヨウ素酸化酵素遺伝子のクローニングに関しては、IOB-2に属するQ1株のヨウ素酸化酵素のN末端配列と、既知のα-プロテオバクテリアのマルチ銅オキシダーゼ(MCO)の銅結合領域からdegenerateプライマーを設計し、目的配列の増幅を試みたが、増幅を確認することはできなかった。現在、Ridgeらのグループが開発したα-プロテオバクテリアのMCOに特異的なプライマーを用いて目的配列の増幅を試みている。
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