2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780060
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山本 裕司 Kitasato University, 獣医学部, 講師 (10453507)
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Keywords | 乳酸菌 / 酸素 / 活性酸素 / 制御メカニズム / 応答 |
Research Abstract |
本研究では「乳酸菌の酸素分子認識機構」の解明を目指し、申請者がstreptococcus mutansのレドックスセンサーとして同定したSpxA及びSpxB蛋白質の酸素分圧認識機構について解析を行った。 S. mutansのSpx蛋白質は、環境中の酸素分圧の変化に応じて各抗酸化蛋白質の発現を正に制御するが、Spx分子が酸素自身を直接認識しているのか、他の2次的な分子を認識しているのかは不明である。そこで本年度は、Spxレギュロンを活性化させる直接的な分子を同定するために、嫌気条件下でS. mutansの野生株とspx欠損株に誘導因子を添加した際の各抗酸化蛋白質のへ発現様式を解析するとともに、Spx蛋白質精製票品を用いSpx分子の酸化・還元状態を評価する系の構築を行った。嫌気条件下でS. mutansの菌体に誘導因子として過酸化水素及びチオール基の酸化剤であるダイアマイドを作用させた結果、ダイアマイドの添加により全ての抗酸化蛋白質の発現の誘導が確認された。また、このダイアマイドによる抗酸化蛋白質の発現は、両spx遺伝子に依存していたことから、チオール基の酸化がSpxレギュロンの活性化のシグナルとなると考えられた。次に、昨年度までに取得した可溶性SpxAおよびSpxB蛋白質を用い、酸化型・還元型の蛋白質を区別する評価系の構築を試みた。還元型・酸化型のSpxA及びSpxB蛋白質をチオール基の標識試薬である4-acetamido-4'-maleimidyl-stilbene-2,2'-disulfonic acidで処理した後、SDS-PAGEで分離した結果、標識された還元型のSpxが酸化型より高分子側に移動し、酸化型と還元型を区別できることが確認された。一方、Lactobacillus reuteriのspx欠損株については、ノックアウトプラスミドを作製したものの欠損株を得ることができなかったので、今後ベクターや欠損株取得の条件を検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)