2008 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的表現型解析に基づく出芽酵母の酸化ストレス障害修復機構の解明
Project/Area Number |
20780065
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
安藤 聡 National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所・微生物利用研究領域, 主任研究員 (50414496)
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Keywords | 酸化ストレス / パン酵母 / 網羅的表現型解析 / フェノミクス / 破壊株セット |
Research Abstract |
本年度は、出芽酵母非必須遺伝子の破壊株セットを利用して、酸化ストレスに対して感受性あるいは耐性を示す遺伝子破壊株のスクリーニングを実施した。スクリーニングに当たっては、高濃度(50mM)の過酸化水素によって一過的な酸化ストレスを負荷した細胞の生育を測定することによって、酸化ストレス傷害の修復において重要な役割を担っている可能性のある遺伝子の破壊株の選抜を図った。その結果、約4,700株の遺伝子破壊株より、約350株の酸化ストレス感受性株を見出すことが出来た。感受性株における破壊遺伝子について、遺伝子機能データベースを利用して遺伝子機能に基づく分類を行ったところ、液飽酸性化やDNA修復、ミトコンドリア機能等に関わる遺伝子が高頻度で含まれていることが明らかになった。パン酵母の産業利用上問題とされる乾燥、冷凍、高浸透圧等によるストレスに対する感受性と、酸化ストレス感受性との交叉性について検討した結果、液胞酸性化を担う液胞型プロトンATPaseをコードする遺伝子群の多くが、全てのストレスに対する耐性において不可欠である可能性が示唆された。 酸化ストレスに対して耐性を示す遺伝子破壊株については、酸化ストレスを負荷した細胞の生存率を調べた。その結果、供試した31株中10株が野生株より有意に高い生存率を示すことが分かった。遺伝子過剰発現株セットを用いた表現型解析については、スクリーニング条件の検討を行った。
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Research Products
(4 results)