2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780068
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥山 正幸 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (00344490)
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Keywords | 糖質加水分解酵素 / 触媒メカニズム / 糖転移反応 |
Research Abstract |
本申請研究では糖質加水分解酵素の元来全く異なる2つの触媒機構であるアノマー保持型機構とアノマー反転型機構の相互変換を目的としている。アミノ酸配列並びに構造類似性を持つにも関わらず、異なる触媒機構を有する2つの酵素をモデルとして、相互変換を試みた。まずアノマー反転型酵素を保持型酵素に変換することを試みた。反転型酵素では触媒基は塩基触媒基と酸触媒基により構成されている。一方、保持型酵素では求核触媒基と酸/塩基触媒基により構成されている。反転型酵素の酸触媒基は酸/塩基触媒基として働くことが可能であると考え、もう一方の塩基触媒基を取り除き、求核触媒基を導入した。求核触媒基の導入位置の選定を2つのモデル酵素の立体構造アライメントを元に行った。しかし、この変異酵素は変異酵素活性を有さなかった。そこで、求核触媒基が求核触媒基として働くことができるような環境を整えることを試みた。保持型酵素の立体構造を元に、求核触媒基と相互作用を取り得るアミノ酸残基を選定し、反転型酵素の対応するアミノ酸残基をこれらに置換した変異酵素を数種作製した。しかしこれら変異酵素も触媒活性を有さなかった。一方、保持型酵素を反転型酵素に置換するストラテジーの過程で、求核触媒基を取り除いた変異酵素が反応性の高い基質を用いた際に糖転移反応をよく触媒することを副産物的に発見した。このメカニズムを解明するため、この変異酵素の立体構造を解析するべく、酵素タンパク質の結晶化条件を決定した。
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