2008 Fiscal Year Annual Research Report
種子形成における胚乳分化・糖代謝を制御するリン酸化タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
20780069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
濱田 茂樹 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (90418608)
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Keywords | リン酸化タンパク質 / プロテインキナーゼ / Heat shock protein 82 / yeast two-hybrid system / デンプン生合成 |
Research Abstract |
本研究では, 登熟種子におけるリン酸化タンパク質, リン酸化酵素の同定および機能解析を行なった. イネ登熟種子より7種類のリン酸化タンパク質を同定し, そのうち4種は, リン酸化タンパク質であることが初めて明らかにされた. タンパク質の存在量やリン酸化度の高さから, Heat shock protein 82(Hsp82)に注目した. Hsp82はゲノム情報から4種(Hsp82-1〜Hsp82-4)のオーソログの存在が明らかとなったが, Rr-PcRの結果から登熟種子では, 同定したHsp82-1遺伝子のみが発現していた. Hsp82-1遺伝子破壊株(Tos17)が存在したことから, その植物体を解析した結果, ミュータントホモは致死であり, ヘテロ個体は低稔性を示すとともに葉の同化デンプン蓄積量も低下していることが明らかとなった. これらの結果は, 種子中にリン酸化タンパクとして存在するHsp82-1が, デンプン合成をはじめとする貯蔵物質の生合成に関与することを示唆するものである. 一方, インゲンマメ登熟種子においても, 多くのリン酸化タンパク質が存在することを明らかにしていた. 本研究では, これらのリン酸化に必須なプロテインキナーゼの同定を行なった. インゲンマメ登熟種子より作製したcDNAライブラリーからSnRKファミリー3に属する5種のプロテインキナーゼ(PvCIPK1-5)と, カルシウムセンサープロテインである2種のcalcineurin B-like protein(CBL1, 2)遺伝子を単離した. さらに, yeast two-hybhd systemによってPvCIPK1のみがCBL1とCBL2に相互作用することを明らかにした. これらの結果により, 知見の少ないマメ登熟種子中にもリン酸化制御機構が存在することを示した.
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