2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 哲弘 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (40323480)
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Keywords | 微生物 / マイクロアレイ / 発現制御 / tRNA |
Research Abstract |
1. asgの発現抑制解除の分子機構の解明 α細胞において、tRNAの切断によるa細胞特異的遺伝子群(as8)の発現抑制解除の分子機構解明を目的とし、tRNA切断の有無で、Ssn6-Tupl複合体とasg抑制複合体との間の相互作用に変化が見られるかを免疫共沈降法により解析した。しかし、C末端にMycタグを付加したSsn6pでは効率よく免疫沈降出来なかった。現在、タグのデザインを変更して実験を続けている。また、一部のDNA修復機構関連遺伝子の破壊株では、tRNA切断による細胞周期停止が抑制されることが分かった。DNA損傷に応答してSsn6-Tuplがリクルートされることが分かっていることから、asgの発現抑制解除とDNA修復機構との間に何らかの関連性があることが示唆された。 2. tRNA依存的生育停止に関与する遺伝子の同定 tRNA依存的細胞周期停止を抑制する遺伝子を、マルチコピー抑制法によりスクリーニングした。その結果、tRNA^<Arg>遺伝子、TPT1, SAN1がD-CRD発現による生育阻害を抑制することが分かった。このうち、Tptlpは、イントロンを持つtRNAがスプライシングされた後、ライゲーションされる際の反応に関与することが分かっている。D-CRDにより切断されたtRNAを再度ライゲーションにより修復することで、生育が回復する可能性が考えられる。また、SanlpはRING型ユビキチンリガーゼであり、核内移行シグナルを持つ。近年、このSanlpが核内のタンパク質品質管理に関与することが報告された。現在、Sanlpがどのように生育阻害を抑制するかについて検討している。
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