2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780075
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
有馬 二朗 鳥取大学, 農学部, 講師 (80393411)
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Keywords | D-アミノペプチダーゼ / アミノリシス / ペプチド合成 / 活性中心セリン残基 / 基質特異性 |
Research Abstract |
ペプチドには単体のアミノ酸には無い優れた機能を有し、中でもD-アミノ酸を含有するペプチド(D-ペプチド)の特異な生理活性も徐々に明らかとなりつつある。本研究では、効率的なD-ペプチド合成法の確立を目指し、放線菌由来のD-アミノペプチダーゼを対象に、高機能型D-ペプチド合成酵素を創製する。 2種の放線菌由来D-アミノペプチダーゼは、ともに加水分解活性及びアミノリシス活性が認められたが、一方は非常に加水分解活性が高く、中程度のアミノリシス活性を示した。もう一方の酵素は、加水分解活性が低く、それと対称にアミノリシス活性が高いことが明らかとなり、後者の酵素がペプチド合成に適する。前年度の研究により加水分解活性の強さを決める領域は酵素構造上の後半に位置することが明らかとなったため、どの残基が加水分解活性に大きく関わるかを検証するために部位特異的変異により解析した。その結果、は酵素構造上の後半に位置する2つの残基が、加水分解活性に大きく関わっていることが明らかとなった(有馬ら・日本生物工学会大会2010.10.27(宮崎))。 一方で、立体構造が既知である同種酵素の構造を参考に、放線菌由来D-アミノペプチダーゼの活性中心Ser残基から、5~8A内にある残基を4つピックアップした。これらの残基について部位特異的変異による機能解析を行ったところ、193番目にあるAsn残基が、基質認識に関わることを明らかにした。本酵素によるペプチド合成は、D-アミノペプチダーゼのアミノリシス反応の触媒能を利用するものであるが、Asn残基をAspに置換することにより、アミノリシス反応によって得られる生成物(ジペプチド)のN側のアミノ酸の認識が大きく変わった。これにより、本酵素によるペプチド合成の幅を広げる結果となった。
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Research Products
(3 results)