2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20780078
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
伊藤 創平 University of Shizuoka, 助教 (70372836)
|
Keywords | モノテルペン / プレニルニリン酸合成酵素 / 温州ミカン / リナロール合成酵素 / ゲラニオール合成酵素 / 二次代謝酵素 / 酵素機能改変 |
Research Abstract |
植物が産生するテルペンは、植物に耐熱性、光防護作用、抗菌・抗酸化作用をもたらし、また他の植物、益虫、害虫とのコミュニケーションに利用されている。また食品の質を決める重要な因子でもある。本年度は、柑橘等の植物から、複数のテルペン合成酵素、テルペンの前駆体であるプレニルニリン酸を合成する酵素のクローニングと酵素の基質特異性、産物特異性の同定を行った。1)ジャスモン酸により誘導発現されるリナロール合成酵素および、誘導されないゲラニオール合成酵素のクローニングを行った。特にリナロール合成酵素は、既知のリナロール合成酵素とは異なるKm、kcat値を持ち、環状モノテルペンも微量ながら産生した。また、基質結合部位付近のアミノ酸やJ-Kループが既知環状モノテルペン合成酵素と相同性があり、GPPの異性体であるNPPを基質にすると環状モノテルペンを多く産生したことから、活性中心が直鎖状モノテルペンと環状モノテルペン両方を産生できる形状をしていることが明らかとなった。2)7種類のプレニルニリン酸をクローニングし、細胞内局在シグナルの違い、4次構造の違い、産物特異性の違いを明らかにした。特にミカン精油成分の前駆体物質であるGPPを産生するGPP合成酵素が高い活性を持っており、精油成分の生合成に関与していることが示唆された。3)ユズよりクローニングしたNPP依存性3-Carene/リナロール合成酵素のアミノ酸部位特異的変異体を作成し、GPP依存性型に改変することで基質特異性を決定するアミノ酸残基を明らかにした。
|