2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリカール分子変換反応による官能基化環状骨格の構築と生理活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
20780082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安立 昌篤 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 助教 (80432251)
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Keywords | 有機化学 / 合成化学 / 天然物化学 |
Research Abstract |
1. 本研究では、キラルプールである糖の不斉中心と環状立体制御を活用して、グリカール分子変換反応による官能基化環状分子の骨格構築法の開発を目的としている。特に、多様性に富んだ糖を出発原料として利用することで、望む立体配置を持つ多彩な骨格を合成仕分けられる。その際、出発原料である糖特有の反応性や立体配座反転を生かした基質を設計することで、シグマトロピー転位によるグリカール変換反応を機軸とした環状分子の合成を検討した。 2. 平成20年度は、反応条件の確立を目的として、二置換及び三置換アルケンを持つ基質を利用したグリカール分子変換反応に重点を置いて検討した。特に、本合成系では歪んだ遷移状態を経由しなければならないため、通常適用される反応条件よりも高い温度が必要になると予想される。そこで、種々の高沸点溶媒と反応温度を組み合わせて検討することで、最適な反応条件の検討を試みた。 3. 鍵中間体である種々のグルカールは、グルコースを出発原料として側鎖の導入と二置換及び三置換アルケン部位への変換により合成した。その結果、種々の高沸点溶媒と適切な反応温度を組み合わせることで、二置換アルケンを持つ基質において望むグリカール分子変換反応が定量的に進行することが明らかとなった。また、反応性の低い三置換アルケンを持つ基質においても、比較的温和な条件でグリカール分子変換反応が進行し、官能基化された環状分子の合成に成功した。
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