2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリカール分子変換反応による官能基化環状骨格の構築と生理活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
20780082
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安立 昌篤 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 助教 (80432251)
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Keywords | 有機化学 / 合成化学 / 天然物化学 |
Research Abstract |
1. 本研究では、キラルプールである糖の不斉中心と環状立体制御を活用して、グリカール分子変換反応による官能基化環状分子の骨格構築法の開発を目的としている。特に、多様性に富んだ糖を出発原料として利用することで、望む立体配置を持つ多彩な骨格を合成仕分けられる。その際、出発原料である糖特有の反応性や立体配座反転を生かした基質を設計することで、シグマトロピー転位によるグリカール変換反応を機軸とした環状分子の合成を検討した。 2. 初年度に見出した三置換アルケンを持つグリカール分子の変換法をさらに展開し、種々のルイス酸や溶媒を組み合わせて検討することで、最適な反応条件の検討を試みた。 3. グルコースを出発原料として、種々の官能基を有する三置換アルケン部位への変換によって、基質を合成した。ルイス酸を種々検討した結果、iBu_3Alを用いた際速やかに反応が進行し、エステルで修飾された三置換アルケン化合物から、官能基化された環状分子の合成に成功した。その際、本反応が進行するためにはエステルが必須であることも明らかにした。また、保護基の影響も精査し、グルカール骨格上の水酸基の有無が本反応に非常に重要であることも見出した。 また、検討の過程で興味深い結果も見出し、オキサビシクロ骨格の合成が可能な反応条件も明らかにした。この反応は新規な骨格構築法であり、見出した反応法をさらに応用して生理活性天然物合成を検討している。
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