2008 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌二次代謝産物の生合成物質変換および生産制御機構の解析
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20780083
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荒川 賢治 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (80346527)
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Keywords | 抗生物質 / 生合成 / ポリケチド / P450 / 糖転移酵素 / 制御遺伝子 / ガンマブチロラクトン |
Research Abstract |
放線菌Streptomyces rochei 7434AN4株はランカサイジン(LC)・ランカマイシン(LM)の2つのポリケチド抗生物質を生産する。また塩基配列解析および遺伝子破壊実験からγ-ブチロラクトン化合物(GB)を鍵物質としたLC・LM生産制御カスケードの存在も示唆された。本年度は(1)LMの生合成経路の解析, (2)二次代謝制御遺伝子群の解析, に焦点を絞り研究を実施した。 (1) LMの生合成経路を解明するため、遺伝子破壊株の代謝産物解析を行った。糖転移酵素をコードするlkml, lkmLをそれぞれ破壊したところ、前者からは3位水酸基のモノグリコシド3-O-L-arcanosyl lankanolideが、後者からは2つのアグリコン8-deoxylankanolideおよび8, 15-deoxy-15-oxolankanolideが得られた。このことより、まずアグリコンがP450酵素LkmKによって15位が水酸化され、次いでLkmLによる3位水酸基のグリコシル化、P450酵素LkmFによる8位水酸化が生じ、最後にLkmlにより5位水酸基がグリコシル化されてLMが合成される、という経路が明らかとなった(Actinomycetol, 2008)。 (2) ゲルシフトアッセイやフットプリント実験により、GBリセプターSrrAの標的遺伝子が転写活性化遺伝子srrYであることを明らかにし、さらにSrrA-srrYのプロモーター結合領域も決定した(J. Bacteriol., 2008)。またリプレッサー遺伝子srrB, srrCが抗生物質生産および形態分化に関与していることも分かった。現在これらの標的遺伝子の探索を行っている。
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Research Products
(13 results)