2009 Fiscal Year Annual Research Report
EST解析を基盤とするカンナビノイド生合成遺伝子のクローニングと応用
Project/Area Number |
20780084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田浦 太志 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 助教 (00301341)
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Keywords | EST / カンナビノイド / 生合成 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
大麻成分カンナビノイドの骨格形成を触媒する酵素、すなわちポリケタイド合成酵素およびプレニル転位酵素に関し、以下の各種検討を行った。まず昨年度にクローニングに成功したカンナビノイドのフェノール骨格Olivetolを合成するポリケタイド合成酵素(olivetol synthase)について、大腸菌で組み換え酵素を調製し、基質特異性や反応速度等、生化学的性質を詳細に解明し、また植物中での発現をウエスタンブロット及び活性測定により証明して印刷公表した(Taura et al, FEBS Letters, 583, 2061-2066,2009)。次いで、昨年度重複PCR法により部分長cDNAを得ていたubiAファミリーのプレニル転位酵素2種にういて、各々5'RACE及び3'RACEを行うことにより、全長のcDNAをクローニングし、配列を明らかにした。これらのプレニル転位酵素は0大麻と近縁の植物ホップで二次代謝産物の生合成を触媒するプレニル伝位酵素と50%以上のアミノ酸が一致する高いホモロジーを示したため、大麻において二次代謝、即ちカンナビノイドの生合成に関与するものと考えられた。そこでこれら酵素にういて、酵素活性を解明するため酵母発現系を構築した。以上と並行して、大麻cDNAライブラリーのランダムシークエンスを行い、決定した配列(EST)についてポリケタイド合成酵素およびプレニル転位酵素の予想される構造的特徴と比較したが、本検討により両酵素にアノテートされるクローンは得られなかった。同様な結果はMarksらにより報告されており(J. Exp. Bot. 60, 3715-3726,2009)、カンナビノイド生合成酵素は発現量の少ない遺伝子にコードされるものと推察された。
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